特定理由離職者とは
特定理由離職者とは、自己都合退職と会社都合退職の中間に位置する退職形態で、やむを得ない事情により退職を余儀なくされた方を指します。労働者の責に帰すべき理由ではないものの、会社都合退職ほど明確な企業側の理由ではないケースが該当します。
特定理由離職者に当てはまる方
以下のような理由で退職した場合、特定理由離職者と認定される可能性があります。
- 契約期間満了による退職:有期契約の労働者が契約更新を希望したにも関わらず、企業が更新しなかった場合。
- 家庭の事情による退職:結婚、出産、育児、介護などでやむを得ず退職する場合。
- 健康上の理由:自身または家族の病気や怪我により、勤務継続が困難になった場合。
- 通勤困難:企業の転勤や引っ越しにより、通勤が困難になった場合。
- 天災等の不可抗力:地震、台風、洪水などの自然災害による退職。
申請に必要な持ち物
特定理由離職者として失業給付を申請する際に必要な持ち物は以下の通りです。
必要書類・持ち物 | 説明 |
---|---|
雇用保険被保険者証 | 会社から退職時に受け取ります。 |
離職票(1・2) | 退職後に会社から郵送されます。離職理由を確認。 |
マイナンバーが確認できる書類 | マイナンバーカード、通知カード+身分証明書など。 |
身分証明書 | 運転免許証、パスポート、住民基本台帳カードなど。 |
証明写真(縦3cm×横2.5cm) | ハローワークにより必要な場合があります。 |
印鑑 | 認印(シャチハタは不可)。 |
預金通帳またはキャッシュカード | 給付金の振込先口座を確認するため。 |
受給までの目安
特定理由離職者の場合、失業給付を受け取るまでの期間が自己都合退職より短縮される場合があります。
- 待機期間(7日間):求職の申し込みをした日から7日間は給付がありません。
- 給付制限期間(なしまたは原則2ヶ月):離職理由により、給付制限がない場合と原則2ヶ月間の給付制限がある場合があります。
- 受給開始:給付制限がない場合は待機期間終了後すぐに、ある場合は約2ヶ月と1週間後から給付が開始されます。
受給開始までのフロー
項目 | 期間 | 説明 |
---|---|---|
待機期間 | 7日間 | 失業状態であることの確認期間。 |
給付制限期間 | なしまたは原則2ヶ月 | 離職理由により異なります。 |
合計 | 7日間または約2ヶ月と1週間 | 給付開始までの総期間。 |
再就職手当について
特定理由離職者も、早期再就職した場合には「再就職手当」を受け取れる可能性があります。
再就職手当の主な条件
- 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。
- 1年以上の雇用見込みがある職に就くこと。
- 待機期間の満了後に再就職したこと。
- 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと。
再就職手当の支給額
支給残日数の割合 | 支給率 |
---|---|
所定給付日数の3分の2以上残存 | 基本手当日額×残日数の70% |
所定給付日数の3分の1以上残存 | 基本手当日額×残日数の60% |
特定理由離職者のまとめ
特定理由離職者は、やむを得ない事情で退職を余儀なくされた方を対象としており、失業給付の受給条件や期間が自己都合退職とは異なります。以下のポイントを押さえて、適切な手続きを行いましょう。
- 離職票の離職理由を確認:特定理由離職者として正しく認定されているか確認。
- 必要な書類を準備:スムーズな申請のために必要な持ち物を揃える。
- 給付制限の有無を確認:受給開始までの期間を把握し、生活設計を立てる。
- 再就職手当の活用:早期再就職を目指す場合は、制度を有効に活用する。
退職理由や状況によって受けられる支援が異なります。不明点がある場合は、ハローワークや専門機関に相談し、自分に適したサポートを受けましょう。