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会社都合退職に当てはまる人とは

会社都合退職とは、労働者の意思に反して企業側の都合で退職を余儀なくされた場合を指します。これは、解雇や倒産、労働条件の重大な変更など、企業側の理由による離職が該当します。会社都合退職に当てはまると、失業給付の受給条件が自己都合退職よりも有利になるなど、さまざまな公的支援を受けることができます。

会社都合退職に当てはまる具体的なケース

以下に、会社都合退職と認定される具体的なケースを詳しく解説します。

1. 解雇

企業が労働者を一方的に雇用契約を解除する場合です。

  • 整理解雇:経営不振や業績悪化により人員整理が必要となった場合。
  • 普通解雇:労働者の能力不足や適性欠如による解雇。
  • 懲戒解雇以外の解雇:重大な規律違反がない場合の解雇。

2. 倒産・廃業

企業が事業を継続できなくなり、倒産や廃業に至った場合。

  • 破産手続開始の申立て:企業が裁判所に破産を申請した場合。
  • 事業継続の困難:資金繰りの悪化により事業運営が不可能になった場合。

3. 雇い止め(契約社員・派遣社員の場合)

有期契約労働者が契約更新を希望したにも関わらず、企業が更新を拒否した場合。

  • 契約更新の期待:過去に更新実績があり、引き続き勤務を希望していた場合。
  • 更新拒否の通知時期:契約満了の30日前までに通知がなかった場合。

4. 労働条件の重大な変更

企業側が労働条件を一方的に不利に変更した場合。

  • 賃金の大幅な減額:基本給や手当が大幅に下がった場合。
  • 労働時間の変更:過度な残業やシフト制への変更で生活に支障が出る場合。
  • 勤務地の遠隔地への変更:転居を伴う転勤で、家庭生活に影響が出る場合。

5. ハラスメントや違法行為

企業内での不当な扱いや法令違反が原因で退職に至った場合。

  • パワハラ・セクハラ:上司や同僚からの嫌がらせやいじめ。
  • 賃金未払い:残業代や給与の未払いがある場合。
  • 安全衛生の問題:劣悪な労働環境で健康被害が発生した場合。

6. 退職勧奨

企業から退職を強く促され、事実上の解雇と同様の状況で退職した場合。

  • 退職強要:繰り返し退職を迫られる。
  • 配置転換の乱用:不当な配置転換により退職を余儀なくされる。

会社都合退職と自己都合退職の違い

項目会社都合退職自己都合退職
離職理由企業側の都合による労働者自身の意思による
失業給付の待機期間7日間(給付制限なし)7日間+原則2ヶ月の給付制限
受給期間長めに設定される場合が多い通常の受給期間
再就職手当受給可能(条件を満たす場合)受給可能(条件を満たす場合)

失業給付の受給手続き

会社都合退職の場合、失業給付の受給手続きが迅速に行えます。以下に必要な手続きを詳しく説明します。

必要な書類と持ち物

  • 雇用保険被保険者証:会社から受け取ります。
  • 離職票(1・2):離職理由が会社都合になっているか確認。
  • マイナンバー確認書類:マイナンバーカード、通知カード+身分証明書など。
  • 身分証明書:運転免許証、パスポートなど。
  • 証明写真(縦3cm×横2.5cm):必要な場合があります。
  • 印鑑:認印(シャチハタ不可)。
  • 預金通帳またはキャッシュカード:振込先口座の確認。

手続きの流れ

  1. ハローワークで求職の申し込み:必要書類を持参し、手続きを行います。
  2. 待機期間(7日間):この間は給付は受けられません。
  3. 受給説明会への参加:ハローワークから指定された日時に参加。
  4. 失業認定日:4週間に1度、ハローワークで失業の認定を受けます。
  5. 給付金の受け取り:指定の口座に振り込まれます。

会社都合退職のメリット

  • 早期受給開始:待機期間終了後、すぐに失業給付が開始。
  • 給付日数の延長:年齢や勤続年数により、受給期間が長くなる。
  • 再就職手当の受給:早期再就職で手当を受け取れる可能性。

給付日数の目安

年齢\勤続年数1年未満1年以上5年未満5年以上10年未満10年以上20年未満20年以上
45歳未満90日120日180日210日240日
45歳以上60歳未満90日150日240日270日330日
60歳以上65歳未満90日150日180日210日240日

※実際の給付日数は個別の状況により異なる場合があります。

注意点と対策

離職票の離職理由を確認

離職票の離職理由が正しく「会社都合」となっているか確認しましょう。誤って「自己都合」と記載されていると、受給条件が不利になります。

  • 訂正方法:誤りがあった場合は、企業に訂正を依頼します。それでも修正されない場合は、ハローワークに相談しましょう。

証拠の収集

不当解雇やハラスメントが原因で退職した場合、証拠を集めておくと有利です。

  • メールやメモの保存:上司とのやり取りを記録。
  • 診断書の取得:精神的な被害があれば医師の診断書を用意。

専門機関への相談

労働基準監督署や労働組合、弁護士に相談することで、適切なアドバイスやサポートを受けられます。

再就職手当の活用

早期に再就職した場合、「再就職手当」を受け取れる可能性があります。

支給条件

  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
  • 1年以上の雇用見込みがある職に就く
  • 待機期間満了後の再就職
  • 過去3年以内に再就職手当を受給していない

支給額の計算

支給残日数の割合支給率
所定給付日数の3分の2以上残存基本手当日額×残日数の70%
所定給付日数の3分の1以上残存基本手当日額×残日数の60%

会社都合退職に当てはまる人のまとめ

会社都合退職に該当する場合、失業給付の受給条件が自己都合退職よりも有利になり、早期の生活安定が期待できます。しかし、手続きや証明が不十分だと自己都合退職とみなされるリスクもあります。

  • 離職理由の確認と証明:離職票の内容を必ず確認し、不備があれば速やかに対応。
  • 必要書類の準備:手続きをスムーズに進めるために、必要な書類を揃える。
  • 専門機関への相談:疑問や問題がある場合は、労働基準監督署やハローワークに相談。

適切な手続きを行い、公的支援を最大限に活用して、次のキャリアステップに進みましょう。