自己都合退職から特定理由離職者にするために必要なことは?

自己都合退職から特定理由離職者になるには

自己都合退職で離職した場合、失業給付の受給開始までに給付制限期間(原則2ヶ月)が設けられます。しかし、一定の条件を満たすと、特定理由離職者として認定され、給付制限期間がなくなり、早期に失業給付を受け取ることができます。ここでは、自己都合退職から特定理由離職者として認定される方法や手続きを、表を用いて詳しく解説します。

特定理由離職者とは

特定理由離職者とは、やむを得ない事情により自己都合で退職した方を指します。労働者の責任ではないが、会社都合退職には該当しない離職者が対象です。

特定理由離職者の主な例

離職理由具体的な状況
契約期間満了による退職有期契約労働者が契約更新を希望したが、更新されなかった場合。
家庭の事情結婚、出産、育児、介護などでやむを得ず退職した場合。
健康上の理由自身や家族の病気・怪我により退職を余儀なくされた場合。
通勤困難転居や交通事情の変化により通勤が困難になった場合。
災害等による離職地震や台風などの自然災害により退職した場合。

自己都合退職から特定理由離職者になるための条件

自己都合退職とされていても、以下の条件を満たすことで特定理由離職者として認定される可能性があります。

1. 離職理由がやむを得ない事情であること

  • 証明が可能な理由を持っていること:医師の診断書や家族の介護認定書など。
  • 公共機関の証明書があること:自治体発行の災害証明書など。

2. 離職票の離職理由欄に適切な理由が記載されていること

  • 離職票の確認:離職理由が正しく記載されているか確認。
  • 企業への訂正依頼:誤りがある場合は企業に訂正を依頼。

手続きの流れ

以下は、自己都合退職から特定理由離職者になるための一般的な手続きの流れです。

  1. 離職票の確認項目確認内容離職理由実際の退職理由が正しく記載されているか。離職理由コード特定理由離職者に該当するコードか(20~29)。
  2. 企業への訂正依頼
    • 方法:電話や書面で企業の人事部または総務部に連絡。
    • 提出物:証明書類(診断書、介護認定書など)。
  3. ハローワークへの相談持参物説明離職票離職理由を確認するため。証拠書類医師の診断書、介護認定書、災害証明書など。身分証明書運転免許証、マイナンバーカードなど。
  4. ハローワークによる判断
    • 結果通知:特定理由離職者として認定されるかどうかの通知を受ける。

必要な証拠書類の一覧

離職理由必要な証拠書類
健康上の理由医師の診断書
家族の介護・看護介護認定書、家族の診断書
通勤困難住民票の写し、交通機関の廃止通知など
災害による離職罹災証明書(自治体発行)

特定理由離職者としてのメリット

1. 給付制限期間の解除

  • 自己都合退職の場合:待機期間7日間+給付制限期間(原則2ヶ月)。
  • 特定理由離職者の場合:待機期間7日間のみで給付開始。

2. 受給できる日数の増加

被保険者期間自己都合退職の場合特定理由離職者の場合
1年未満受給資格なし90日
1年以上5年未満90日90日
5年以上10年未満120日120日
10年以上20年未満150日180日
20年以上180日210日

※年齢や離職理由により異なる場合があります。

注意点

  • 証拠書類の準備が重要:証拠が不十分だと認定されない可能性があります。
  • 早めの対応が必要:離職後できるだけ早く手続きを行いましょう。
  • ハローワークの判断が最終的:個々のケースで判断が異なることがあります。

まとめ

自己都合退職から特定理由離職者になるためには、離職理由がやむを得ない事情であることを証明し、適切な手続きを行う必要があります。離職票の確認と証拠書類の準備をしっかりと行い、以下の手順で進めましょう。

  1. 離職票の離職理由を確認
  2. 必要に応じて企業に訂正を依頼
  3. ハローワークに相談し、証拠書類を提出
  4. 特定理由離職者として認定されれば、給付制限期間が解除

正しい手続きを踏むことで、失業給付を早期に受給し、次のステップへ進むことができます。不明点がある場合は、ハローワークや専門機関に相談しましょう。